日本財団 図書館


 

増えたときに、別の作業では「手持ち」が生じその作業はあわてて行われることになる。それによって危険になる可能性が高まる。この状態をリーダーは適切に判断して、必要な場合には配置を調整したり、人員を融通する必要がある。この場合、その作業者と他の作業者が変更に慣れていない場合にはかえって危険になることもあるので、できるだけパターン化しておき、作業に慣れておく必要がある。

 

g.意志疎通(作業分担、共同作業の進め方を了解し合う)
豊富な経験を持った人が多い場合には、各人の担当作業をよくわきまえ、円滑なそして無駄のない共同作業を可能にしている。しかしそれ故に潜む落とし穴もある。一つには、互いに作業をよくこなせることを前提にしているために、一部に新しいスタッフが加わったり入れ替わったりした場合、作業上のトラブルが生じたときには、全体の作業が混乱する可能性がある。複数のウィンチを使った網さばき等では、各所の呼吸が一致していないと全体を危険に陥れかねない。
このような場合には、熟練者の呼吸だけに頼らずに、互いの意志疎通と、全体指揮による協調とが重要となろう。

 

(5)就労体制

 

a.勤務体制(乗組員全体の勤務状況と疲労を把握する)
乗組員は職制に応じた作業分担をもち、資格を要する作業の人員は固定される。また、船内労働は船の運航と漁るうによって発生するので、勤務には繁閑が生じ、入出港せざるを得ないときや、豊漁の時には全員による勤務が長く続くことになる。
これらのために全体として疲労が蓄積し、部分的にその度合いが強いということが起こりがちである。この状況をよく把握して、一部を定常の就労から外すなどの部分的調整が必要な場合もある。
そしてまた、暇な状況ができた場合には、十分な休養を与える必要がある。そ

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION